おもしろい記事を見ました。

ペットボトルふた回収のNPO、ワクチン代寄付滞る

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寄付が滞った原因や詳細はわかりませんが初見の感想は「やっぱりな」でした。

そもそもこのエコキャップ運動には大きな無理がありました。このキャップはポリプロピレン(PP)と言う材質で確かにリサイクルできますし買い取ってくれる業者もいます。しかし買い取り価格は約400個で10円~15円です。キャップ400個はかなりかさばってしまいます。したがって業者に持ち込む際には車でもって行かなければいけません。(取りに来てもらうと買い取り価格は1円~0円)しかし車で持っていくとガソリン代が10円以上かかります。つまりキャップで10円寄付するのにガソリン代20円を払っているのです。それならば大量に持っていけば採算がとれるかもしれませんがキャップ4000個で100円です。その労力、袋代、ガソリン代を含めるとどうでしょうか、これはもう寄付の体をなしていません。

これらは、廃棄物関係やリサイクル関係の人間ならだれでも知っている事実です。NPOの方も知っているはずです。にもかかわらずこの運動を推進するのは私には理解できませんでした。

本当にワクチンを送りたいのなら1回のペットボトルを我慢して現金160円を寄付するのが最も効率的で現実的です。それとリサイクルの観点で言えば飲んだペットボトルを正しく廃棄すれば業者が適正にペットボトルごと再利用してくれます。個人がキャップをはずして寄付するのは寄付ではありません。

さらにこの買取価格は相場制で相場が動けば値も動くのです。PPの需要が高まれば高値になるし需要が無ければ安値になります。つまりギャンブル性が高いのです。このNPOが変動相場制で寄付をする体制だったのかわかりませんが仕組み自体が矛盾をはらんでいたのではないかと思います。

聞こえのいい寄付やリサイクルに飛びつく時代ではなくなっています。正しい情報(1次情報)をしっかり自己分析して行動しないといけません。