現在「将棋電王戦FINAL」が行われています。

人間VSコンピューターの戦いがここまで盛り上がるとは正直思っていませんでした。
いってみればコンピューターとの将棋対決なわけですから、それに対する情熱や思いはタイトル戦に比べれば小さいはずなのです。しかも多額の賞金が掛かっているわけでも無いですし人間側(プロ棋士)が勝ったからといってプロとしてのキャリアにプラスになるような事もありません。

でも、だからこそそこに賭ける人間の意地やプライドに観戦者は感動を覚えるのです。将棋の歴史や先人たちの築き上げた定跡を肯定するためだけにプロが情熱を注ぎ込む姿に感動するのです。プロ棋士は多忙な仕事の合間を縫って、いやそれ以上の時間を使って半年間研究をしてきました。コンピューターの思考回路や癖、はたまた不得意な戦形やプログラムミスまで発見する努力をしてきました。

つまり人類(天才棋士)VS人工知能(天才プログラマー)だということです。これは現在から未来における人類にとって最大のテーマであります。自分達人類が創り上げた人工知能に対してどのようにアプローチするのかということです。

そしてこの戦いを盛り上げる為に様々な協力がされています。とくにDENSOさんの「電王手さん」
は技術の粋を結集してより素晴らしいロボットを創り上げています。当然に将棋ロボットを作るのが本業ではないのですがメーカーとしてのプライドで最高のものを提供しています。この姿にも感動を覚えます。

もうひとつ重要な因子は開発者の皆さんです。この様な戦いだとどうしても悪者側になりがちですけど、そもそも将棋のプロムラミングをして、しかもそれがプロ棋士と同等以上の棋力にするというのは明らかな天才の仕事です。ここにも素晴らしい情熱を感じます。決して悪役ではありません。彼らがいなければこんな素晴らしい戦いは成し得なかったのです。私は彼らが完全アウェイな会場でPCに向かう姿には毎回感動しています。発言が過激だったりはしますがそれは立場によって考え方が違うというだけです。開発者の皆さんにも毎回尊敬の念を抱いています。

将棋というアナログ極まりない物にデジタルのアプローチをした結果こんなにも人間の心を揺さぶる戦いになるなんて驚きです。

将棋電王戦には人類の未来が詰まっていると言っても過言ではありません。

対局会場】
第1局(3月14日) 京都・二条城
第2局(3月21日) 高知・高知城
第3局(3月28日) 函館・五稜郭
第4局(4月4日)  奈良・薬師寺
第5局(4月11日) 東京・将棋会館
すべて9:30~ニコニコ生放送にて完全生中継